骨盤位(逆子)の原因
骨盤位とは一般にいう逆子のことです。
妊娠中期までは30~50%が骨盤位ですが、大半は分娩時までに自然回転し分娩時に骨盤位であるのは全分娩の3~5%といわれています。
骨盤位は胎児の自己回転が妨げられることによって起こると考えられています。
その原因としては
1.子宮筋腫、子宮奇形など子宮の形態異常
2.前置胎盤や低置胎盤など胎盤の異常
3.狭骨盤
4.羊水過多症(羊水800ml以上)
5.羊水過少症(羊水200ml以下)
5.頻産婦(出産後まもなく妊娠した場合も含めて)
6.多胎妊娠
7.高年初産婦
8.臍帯が短い
9.胎児が小さい
などが挙げれられます。
また、上記以外にも胎児の首に臍帯が巻き付いている場合(臍帯巻絡)なども自己回転の妨げとなりますが、
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で、自分が安全で居心地のよい体勢をとっているといわれています。
~東洋医学からみた骨盤位~
中医学では妊娠30週以降に現れる子宮体内の位置異常を胎位不正といいます。
胎位不正の多くは腹壁が緩んでしまうことが原因で、さらに、気血両虚や気機鬱滞、血滞湿停などの素因が関係していると考えられています。
また、冷えも逆子の原因の一つといわれています。
1.気血両虚
東洋医学では気は血を運ぶと考えられています。虚というのは不足しているという意味です。
気が不足していると、十分に血を巡らせることができません。気も血の十分な量が巡ってこそ健康といえます。
気血が不足すると赤ちゃんもパワー不足となり、回転する力が弱くなります。
体がだるい、動悸、息切れなどの症状があります。
2.気機鬱滞
生命をはじめ、すべての原動力になるものが気です。 気とはある種の生命エネルギーみたいなもので、気と血が滞りなく巡っている状態が健康な身体と考えます。
ストレスや冷えがあると気の巡りが滞り、赤ちゃんの動きに影響を与えます。
胸が苦しい、お腹が張る、よくため息をつく、イライラする、抑鬱などの症状があります。
3.血滞湿停
妊娠後期になると血が子宮に集まるため、気の流れが滞りやすくなります。気が滞ると(気機不利)水湿が内停します。
血と水湿の停滞は赤ちゃんの動きに影響します。
お腹が張って痛む、尿量が少ない、脚が浮腫む、からだが重いなどの症状があります。